マスカルポーネチーズとの意外な出会い
四季のある日本で、一番魅力的な季節がやってくる。秋といえば海も山もおいしい季節。海の魅力的な魚も食べごろだ。
今回は、釣れたらうれしいメジマグロ(クロマグロの幼魚)をご紹介しよう。
青物をおいしく食べるためには、釣ったあとの処理が重要。きちんと血抜きしてから、たっぷりの氷と海水と一緒にクーラーに入れれば、鮮度抜群の状態で持ち帰れる。
血抜きをしておくと、特有の臭いも感じにくくなり、特に刺身などの生食の場合、味に明らかな差が出る。
ここで紹介する料理自体は、下ごしらえが終われば完成したようなもの。釣りから帰ってきて疲れていても手軽に作れる。
他の魚でも応用できるので、ぜひチャレンジしてほしい。
青物の刺身をサラダ仕立てにする場合は、脂もほどよくのっているので、ドレッシングはシソなどのさっぱり系の方がマッチする。
一方で、マスカルポーネチーズは、マグロとアボカドが合うように、絶妙なコクを加えてくれる意外な脇役だ。
さばき方と「メジマグロとチーズのサラダ」の作り方
ときに大釣りすることもある青ものは、きちんと血抜きして内臓とエラを取り、濡れ新聞に包んで冷蔵庫で保存すれば、2~3日後でも十分おいしく食べられる。
●材料/2人前
メジマグロ(50センチ級)・・・・・・四半身
水菜、サラダ菜、ワカメなど・・・・・適宜
マスカルパーネチーズ・・・・・・・100グラム
白ゴマ・・・・・・・・・・・・・・・適宜
ドレッシング・・・・・・・・・・・・適宜
①メジマグロのさばき方。頭をたたき落とし(エラの後ろから中骨に向かって斜めに包丁を入れる)にして、内臓を処理し、三枚おろしにする。
②幼魚とはいえ、メジマグロも立派なマグロ。中骨周りに残った身を、スプーンを使ってこそげ落とせば”すき身”が取れる。
③半身を血合い骨部分で切り分けて柵取りしたら、皮を引く。身をまな板の手前の縁に置き、皮の尾の部分をつかんで、水平にした包丁をまな板に沿わせるようにすると、うまくいく。
④皮を引いた柵を刺身にする。青物は比較的身が崩れやすいので、やや厚めのそぎ切りにする。
⑤サラダの盛り付け。さらだ菜の上に水菜とワカメを盛り、その上に刺身を並べ、チーズを乗せる。白ゴマを振りかけ、ドレッシングをかけて出来上がり。大胆にまぜて食べよう。
【料理監修:森山 利也】
千葉県富津市で居酒屋「はいから屋」を25年営み、現在は築地場外市場で曜日限定の店「JOJO BAR」をプロデュース。自ら店に立ち旬の魚や自家製の野菜など、新鮮な食材を使った様々なメニューを楽しめる。
そして包丁捌きの基本や海に関わることを学べるリアル「森山塾」も主宰。
また、ベテランの釣り人として各方面で活躍し、豊富な経験と見識を持つ。
上記は森山氏がビギナーにも無理なく作れるものとして紹介していただいたおすすめ料理だ。
【協力:株式会社 舵社】
参考本:スクラップブック of 釣果料理
http://www.kazi.co.jp/public/book/bk04/5126.html
4人の達人が贈る、全38魚種、144種のレシピを掲載
『ボート倶楽部』の連載や特集記事の中から、さと丸、森山塾長、Mr.ツリック、ウエカツ水産の4人が書いた釣果料理の記事だけを厳選&抜粋して集めた単行本。
釣った魚をおいしく食べる達人たちのおすすめ料理を作れば、みなさんの家の食卓が豊かになること間違いなし。
*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)