カジキ類のなかでも沿岸に出現することが多いバショウカジキは、フッキングすると潜り、跳ね、テールウォークと華やかにファイトする人気のターゲットだ。トローリングはもちろん、ライトタックルやフライフィッシングでも楽しめる。
なお、IGFA世界記録となっているバショウカジキは、1947年2月12日、エクアドルのサンタ・クルーズ島沖で釣られた100.24㎏。国内では、2011年5月5日に沖縄・慶良間堆(けらまたい)で71㎏が釣り上げられ、話題を呼んだ。
【ルアーキャスティング】
バショウカジキは、ライトタックルによるルアーキャスティングゲームで狙うことができる。とくに、鹿児島海域では、8月中旬~11月初旬にかけて1日当たり500~1,000本が市場に水揚げされているほどバショウカジキが濃く、専門に狙える船もある。
船でティーザー(魚を寄せる囮)を曳きながらバショウカジキがアタック(食いつく)してくるのを待ち、タイミングをみてペンシルベイト(水面で誘うタイプのルアー)などをカジキの横面にキャストする狙い方と、ナブラ撃ち(小魚の群れがそれを狙う中、大型魚に追われ海面にさざ波をたてながら逃げ惑う箇所へルアーを投げ込む)で狙う釣り方の2種類がある。
使用タックルは、シイラ用やマグロ用キャスティングタックルをそのまま流用できる。リーダーは、フロロカーボン(フロロカーボン素材の糸)、またはナイロン(ナイロン素材の糸)の60ポンド(約27㎏ 1ポンド:約0.45kg)を2m前後結び、さらにその先にビル(吻くちばし)での擦れ防止のため130ポンド(約58.5㎏ 1ポンド:約0.45kg)のファイティングリーダー(道糸の先に結ぶ太い糸)を接続する。ビルの長さは80~100㎝くらいなので、1m前後接続しておくとよい。
製品例
ペンシルベイト
【フライフィッシング】
フライフィッシング(羽や動物の毛でエサに似せた毛針を使用した釣り)でバショウカジキを狙うのは、国内では難しいが、チャレンジしている人もいる。
ロッドは、♯12~14の9フィート(3m)が主流。リールは、十分なラインキャパシティ(糸の収納量)があり、ドラグ性能のよいものがベスト。バッキングライン(リールに最初に巻く予備の糸)とフライラインの間に、ナイロン30ポンド100mのショックアブソーバー(緩衝用の糸)を入れ、フライラインの先には20ポンドのクラスティペット(ハリス)を40~60㎝結ぶ。さらに、80~100ポンドのショックリーダーを30㎝程度接続する。バショウカジキは、ボリュームがあり軽いフライが効果的だ。ポッパーやストリーマー(小魚を模した毛針)など各種用意しよう。
釣り方は、ティーザーなどをトローリング(ルアーを船で引っ張りながら魚を釣る方法)で引っ張り、カジキをティーザーにじゃれつかせるようにさせた状態で引き寄せ、船と魚の間合いを詰める。フライ(羽や動物の毛で昆虫に似せた毛針)の射程内に入ったところで、大型フライを打ち込む方法が一般的だ。