ヒラソウダと同様、スズキ目サバ科ソウダガツオ属に分類される。全世界の熱帯・温帯海域に分布する回遊魚で、秋〜冬は南方の海域に、夏には北海道まで北上し、初夏から晩秋にかけては沿岸から湾内まで入ってくる。

マルソウダは、夏のハイシーズン（釣りの盛期）になると比較的大きな群れで堤防や海岸まで接岸してくる。場所によっては車横付けで気軽に狙えるので、ファミリーやグループにも人気のターゲットだ。

【カゴ釣り】

カゴ釣りの場合は、吹き流し（テンビン付きのカゴの下に付ける仕掛け）のサビキ仕掛けを使うのが一般的だが、下オモリをセットした胴付き（一番下にオモリを付ける仕掛）仕様でもよい。その場合は、カゴウキにコマセの重量もかかるため、それを考慮してオモリを選ぼう。サビキ仕掛けは市販のものをハリ数が３本程度になるようにカットして使う。
魚の群れが表層に浮いている状況では、ブリッジ仕掛け（仕掛けの上下にウキをつけた表層を狙うための仕掛け）も効果的だ。

【フライフィッシング】

釣り場によっては、フライフィッシング（毛針釣り）で楽しむことも可能。マルソウダの群れがシラスなどの小さなベイト（エサとなる小魚など）に付いているケースでは、ルアーよりもフライで狙うほうが断然、ヒット率は高くなる。
ロッド（釣り竿）は7番前後が基準で、遠投重視ならダブルハンド（両手投げ）を使うのもよい。ライン（釣り糸）は魚のタナ（魚が泳いでいる層）に合わせて、フローティング（水に浮く）とシンキング（沈む）を使い分ける。
フライパターン（毛針の種類）は、シンセティック素材（人工の素材）などを使ったシラスのイミテートが最強。
なお、オーバーヘッドキャスト（頭上から振って投げる）でフライを振り込む場合は広いバックスペースが必要となるため、背後を人が通るような場所での釣りは控えたい。

ヒラソウダの身よりもやや脂が少なく、逆に血合いが多く、鮮度落ちが早い。多食すると腹痛、下痢、じんましん、吐き気など、ヒスタミンによる中毒症状が出ることがある。活き締めをしっかりとして、刺身にする場合は血合いを取り除いたほうが無難だ。
料理方法は、ヒラソウダと同様。たたき、煮付け、竜田揚げなどのほか、なまり節にして酢の物やちらし寿司にしたり、ねぎま鍋風にネギや春菊などと鍋仕立てにするのもおいしい。
写真のオイル煮は、塩を振った身を好みのハーブ、ニンニク、赤唐辛子などと一緒にオリーブオイルで揚げ煮したもの。パスタやサラダの具として使える保存食だ。