●子供も大人も大感激!
【幻想的な光に感動!〝海ほたる〟を観察する】
「海ほたる」をご存知だろうか? よく夜光虫に間違われることが多いが、夜光虫は原生動物で、海ほたるは貝ミジンコの仲間だ。青森県から沖縄までの太平洋側の海に生息しており、体長は最大で3㎜前後。夜行性で昼間は砂の中に潜っている。そして、その最大の特徴が、体内に発光物質を持っていて、何らかの刺激によって青白い光を放つこと。その名の通りホタルを彷彿とさせる幻想的な光は、子供はもちろん、大人も感激させてくれる。機会があれば、ぜひ観察してみてはいかがだろう?
●海ほたるの採取に必要な物
海ほたるの生態はまだまだ謎に包まれているが、水温が上昇する夏になると沿岸で見られるようになる。とくに夜間になると、潮が流れている堤防先端などに近づいてくるので採取して観察するチャンスだ。
海ほたるを採取するのに必要な物は、コーヒーなどの空きビンと長さ10mほどの丈夫なヒモ。ビンのフタには釘などで小さな穴を10か所ほど開けておき、瓶の口にヒモを結んでおく。
ビンの中には、エサとなる小さくカットしたソーセージや魚のアラなどをストッキングに詰めたものを入れておこう。
●海ほたるの採取方法
海ほたるがいそうな堤防上からエサを入れたビンを投入し、海底まで沈めたら採取の準備完了。
そのまま約1時間ほど放置してから、ヒモをたぐってゆっくりとビンを引き上げてみる。水面に見えてくるビンに海ほたるが入っていれば、幻想的な光に満たされていることだろう。
採取した海ほたるは、バケツの海水に移して改めて観察してみたい。バケツにちょっとした振動を与えると見事に光輝き、初めて見る人はビックリすること間違いなしだ。写真撮影する場合は、ストロボをオフにして、スローシャッターで撮影するとよい。手ブレを防ぐには三脚を利用するのがオススメだ。
なお、海ほたるはか弱い生き物なので、観察が終わったらすみやかに海に逃がしてあげよう
現在、海ほたるは水質汚染や開発などで、その数が減少しているとのこと。海ほたるの観察をきっかけに、家族で自然環境について考えるのもいいかもしれない。
*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)