ナマリスッテ【鉛スッテ】

ナマリスッテ【鉛スッテ】
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釣りシーズン ベストシーズン 釣れる

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釣り方

◆鉛スッテとは

 夏に本格的なシーズンを迎える、ケンサキイカ、ヤリイカ、スルメイカなどをライトタックルで狙う釣りで、鉛スッテ単体もしくはそれにスッテをプラスするだけのシンプルな道具立てが特徴で、イカメタルとも呼ばれる。
 電動リールを使用したイカ釣りでは、たくさんのスッテを効率よく使うための独特な手返しや、電動リールなどの重装備が必要なので、ベテランの釣りといったイメージが強いのだが、鉛スッテゲームではタックルや仕掛けもシンプル&ライトだ。
 イカのアタリをダイレクトに捉えフッキングに持ち込む攻めのスタイルと、従来のイカ釣りにはない手返しの良さで数を稼ぐゲーム性の高さが魅力だ。

◯鉛スッテ単体
 仕掛けがシンプルなので、セッティングの手間いらず。掛かったときの手返しの良さは最強。
 スピニングタックルは仕掛け落ちがよく、軽めのスッテを使用してフォールのアタリを取りやすい。
 ベイトタックルはラインを張った状態のアタリを感じやすく、重めのスッテを使い着底させてからの巻き上げのアタリを取ると効率がよい。

◯鉛スッテ+スッテ
 エダスにスッテを取り付けることで、アピール力アップ。エダスのおかげで可動範囲が広がったスッテ部分は、イカがアタックしたときの違和感が少なく、しっかりと抱きこませられる。アタリがはっきりするため、初心者にも有効。狙えば連掛けも可能。

◆タックル

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◯ロッド
 抑え込むような小さなアタリを感知し、そのアタリを弾かないようにイカの引きに追いていくためには、張りがあって細い竿先のロッドが必要。瞬間的なアワセに対応できる強めのバット部分を備えているとさらに釣りがしやすくなる。
 軽めのスッテを海底まで落とし込むにはガイドの抜けがよいものを選ぶ必要がある。操作の際のガイド絡みを考えるとPEライン対応のガイドシステムが採用されたものがいい。
 アタリを取って掛けにいくスタイルなら8:2調子のロッドがいい、手持ちの釣りになるので軽くて扱い長さの物を選ぼう。
 仕掛けは重いものでも100gほどに収まるので、ライトエギングやメバリングなどに使用するタックルの流用も可能。
 スピニングタックルなら、一つテンヤ用、ベイトタックルならタイラバ用のものを流用すれば、グリップ長があるので、使っていて疲れにくい。

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◯リール
 使用するラインを150m以上巻けるものを選ぶこと。スピニングリール、ベイトリールのどちらも使用可能だが、選んだリールによって、釣り方に若干の違いが出てくることは意識しておこう。使用するロッドが決まっているのなら、それに合ったものを選べばよい。
 パワーはそれほど必要ないが、巻き取り速度は速いほうが有利。ハンドル1回転で70㎝前後のラインが回収できる、小型のリールのハイギアタイプを選択するのがベストだ。
 アワセを入れたときにイカが身切れするのを防ぐため、ドラグ設定は緩めにしておくこと。強くシャクッたときに少し出るくらいで充分だ。

・スピニングリール
 フォールの抵抗が少なく軽いスッテを使用するのに向いている。ラインの沈み具合を見ながらフォールのアタリを取っていくスタイルが中心ならこのタイプが有利だ。サイズは2500~3000番クラスがおすすめ、これ以上小さいと巻き取り速度が遅くなるので、手返しにも影響してくる。

・ベイトリール
 活性が高いときは、短時間でフォールと巻き上げを繰り返すため、片手でクラッチのオンオフが可能なベイトリールが便利。
 巻き上げ抵抗の変化をダイレクトに感じられるので、重めのスッテを落とし込んで、ゆっくり巻き上げながらアタリを取っていくスタイルがメインならこちらのタイプを選択するといいだろう。

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特にPEラインは硬さなどに好みが出てくるので、メーカーや商品を色々と試すことをおすすめする。

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ライン類は素材と号数が同じであれば、他のジャンルのものでも流用可能だ。しかし、専用に設計されたラインのほうが、断然使いやすい。

◯ライン
 メインラインは、感度がいいPEラインを選択すること。強度的には0・8号あれば充分だ。仕掛けが軽いので、潮流の抵抗が少ない細番手の使用をおすすめする。スッテの沈み具合や、イカがいるタナをなるべく正確に把握できるよう、色分けされた船用のラインを選択するのがベストだ。

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◯リーダーライン
 太さはそれほど食いに影響しないが、太すぎると抵抗が大きくなるので、アタリが取りにくくなりのと細かいアクションの演出が難しくなる。メインラインとのバランスを考えれば、2~3号がいい。

◆スッテ

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 スッテのルーツは漁具。見かけはそっけないほどシンプルだが、イカ釣りには絶対の実績があるアイテムだ。

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◯鉛スッテ
 メインアイテムとなる鉛スッテは、文字どおり鉛製のボディに布を巻いたもの。
 潮流や、水深によって重さを使い分けることで、釣りやすさが格段に向上するので、釣り場には数種類のウエイトを持っていくのが基本。
 ウキスッテのように、ふわふわと漂いながら誘いをかけるのではなく、釣り人が動きを与えて、スッテをコントロールすることが必要だ。アクション後に食わせの間を入れると効果的。

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◯浮きスッテ
 鉛スッテのエダスに付けるサブアイテムとして使用するのがこちら。釣り人の動きをダイレクトに反映する鉛スッテに対して、自体の浮力とエダスのゆとりを利用してふわふわと漂うようにイカを誘う。

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スミゾクスッテ目玉付/2.5号・3号・4号

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スミゾクスッテ/2.5号・3号・4号

◆基本の操作

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 スピニングタックルの項では、フォールのアタリを取るための操作、ベイトタックルでは着底後のアクションと巻き上げのアタリを取る操作について解説していく。
 操作やアタリはどちらのタックルを使用しても、同じようなものだが、それぞれのタックルが得意な操作をクローズアップして紹介していくことで、タックルとアタリの特徴を掴んでいただきたい。

◆スピニングタックル

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リールの前にできた余分なラインのたるみはトラブルのもと。サミングして余計なラインが出ないようにしよう。

 スピニングリールは仕掛けをフォールする際の抵抗が少ないので、軽いスッテをスムーズに落とし込めるのが利点。軽いスッテは、フォールのスピードが遅いので、フォール中にイカがスッテに抱きつくチャンスが多くなる。その際にイカに与える違和感も少ないため、イカがスッテを抱えた状態が長く続き、そのときがアワセを入れるチャンスになる。

◯ステップ1
 リールのベイルを起こして、仕掛けがフォールを始めたら、ロッドをあおってリールから糸を引き出す。
 この後、すぐに竿先を海面近くまで下げると、沈み切れていないラインが海面に浮かび、それがフォールする仕掛けにゆっくり引き込まれ、先からゆっくり沈んでいく。この状態を確認するのが第一ステップだ。

◯ステップ2
 そのままフォールを続け、海面に浮いたラインがなくなりかけたら、先ほどのようにロッドをあおってラインを出し、この操作を繰り返しながら、海底までスッテを沈めていく。
 この操作はリールのベイルをオープンにしたまま繰り返すが、風の影響などで余分なラインが出ていかないよう、ロッドをあおった後は、リールのスプールに指を当てラインを止めておこう。

◯ステップ3
 海面に浮いた、沈み切れていないラインが沈んでいくのを確認するのが一連の操作の目的だ。スッテが海底に到達するとラインが沈むのが止まるので、根掛かりしないようすばやくリールを巻いて仕掛けを浮かす。潮の流れが速い場合は、この合図が短いので見逃さないように。分かりにくければ、スッテを重いものに替えれば分かりやすくなる。

◯ステップ4
 明らかに着底していないのに、ラインが沈まなくなったときは、フォール中のスッテをイカが抱いた合図だ。着底同様この合図もごく短いことが多いので、フォールの際は、集中してラインの沈み方を観察しておこう。
 アタリがあったら、すばやく海面の糸フケを回収して、ラインを張る、イカが掛かっていれば少し重たい感じがするので、すかさずアワセを入れよう。アタリは、思ったよりも繊細なので、慣れないうちはおかしいと思ったらとにかくアワせてみることだ。
 ラインを張ってロッドを持ち上げる聞きアワセができるようになると、余計なアワセがなくなり、手返しも向上する。

◆ベイトタックル

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ベイトタックルは、ラインを張っているときのアタリが分かりやすい。

 スピニングに比べフォールの抵抗が大きいベイトタックルは、ラインを張った状態のアタリが分かりやすく、巻き上げる力が強いので重い仕掛けを使用した釣りが得意だ。
 重い仕掛けはラインを張りやすく、操作がダイレクトに伝わるのでキビキビとスッテを操作し、誘って掛けるのに向いている。ラインの張りを保つことで、着底やアタリの感覚が掴みやすいのもメリットと言える。

◯ステップ1
 ベイトタックルで仕掛けをフォールする場合は、スピニングタックルのようにラインを強制的に送り込むのではなく、海面にスッテを近づけたら、クラッチを切りそのまま一気に海底までスッテを送り込めばいい。
 ラインを送り出すときは、手元のスプールが回転しているので、これが止まったときが着底かアタリの合図なので、着底なら巻き上げて、アタリならアワせるところまでは同じ。

◯ステップ2
 着底したら、根掛かりを避けるため少し巻き上げて止めておく。この時点から、いつアタリがきてもアワせられる心構えをしておこう。
 止めてる間にアタリがなければ、スッテにアクションを付けてみよう。ロッドを大きく上下したり、小さなシャクリを入れたりするのもいい。
 フォールの際に追ってこなかったイカに、スッテの存在をアピールし、興味をそそるのが目的なので、同じ動きを繰り返して反応がなければ、いろいろなパターンの動きを入れてみよう。

◯ステップ3
 ここで反応がなければ、誘いを掛けるレンジを少し上げて、同様の操作を繰り返す。
 船釣りでは、魚群探知機の反応を見ながら、狙うべき水深を船長が指示してくれるので、それを目安にするといい。
 ただし中層でいい反応があったとしても、良型は海底付近にいたりするので、掛かってくるサイズに満足できないときは、狙いを少し深めにするのも面白い。

◯ステップ4
 アタリがあるのは、アクションを入れているときではなく、アクション後のスッテが止まっているタイミングのときが多いことを覚えておこう。
 つまりアクションを入れた後、しばらくスッテを止めて、食わせの間を与えることが必要なのだ。
 グンと引き込まれるような豪快なアタリなら分かりやすいが、コンッという小さな振動だったり、なんだか重くなったと感じるだけだったりと、アタリの出方は様々なので、止めている間は集中してアタリを待っておこう。
 仕掛けを完全に止めるのではなく、ゆっくりと上下させていると取りにくいアタリが幾分取りやすくなる。
 大きくグンと引き込むアタリだけでなく、小さなアタリをいち早く感じて掛けることができれば、手返しが格段によくなって、釣果を飛躍的に伸ばすことができる。

◯ステップ5
 エダスに浮きスッテをセットしたリグは、巻き上げ抵抗が大きいので、ベイトタックル向きの仕掛けだ。
 抵抗が大きい分、フォール速度が遅くなるので、鉛スッテは重いものを選択しよう。
 重い鉛スッテは、キビキビとしたアクション、軽い浮きスッテは、フワフワとしたアクションで全く違った誘いを同時にかけられるので、かなり有効なアピールになる。
 エダスの遊びがある浮きスッテは、イカが抱き込んだときの違和感が少ないので、がっちりと掛かった状態でアタリを伝えてくれるため、小さなアタリが取りにくい状況では大変有利で、初心者でも使いやすい。
 もちろん、仕掛けをきっちり張っていれば、さらに小さなアタリも取れるので、本来のゲーム性は損なわれることがなく、上級者ならばさらなる釣果が期待できる。
 狙えば連掛けもできるので数を伸ばすのにも向いている。

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アワセは鋭く小さく入れる。リールのドラグはアワせたときに少し出るくらいに調整しよう。強すぎるとイカが身切れしてしまう。

*監修 西野弘章【Hiroaki Nishino】
*編集協力 加藤康一(フリーホイール)/小久保領子/大山俊治/西出治樹
*魚体イラスト 小倉隆典
*仕掛け図版 西野編集工房
*参考文献 『週刊 日本の魚釣り』(アシェットコレクションズ・ジャパン)/『日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次編』(東海大学出版会)/『日本の海水魚』(山と渓谷社)/『海釣り仕掛け大全』(つり人社)/『釣魚料理の極意』(つり人社)

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